2016年3月19日土曜日

ゼロ秒思考


マッキンゼーで14年間活躍した赤羽雄二さんが書いた思考トレーニングの本です。 この本のいいところはシンプルかつ短時間の思考トレーニングで効果が期待できる点です。 具体的にはA4の紙に1件1分で考えていることを書き出すだけです。 これにより、以下の効果が実感できました。 

1.短時間で自分の考えをまとめることができるようになる

最初は、1分間という限られた時間で頭の中になる整理されていない情報を書き出す作業は大変です。しかし続けていくうちにスラスラと自分の考えを書き出せるようになります。私は2週間程度で効果を体感できました。 まだまだ、ゼロ秒とは言えませんが、仕事上の課題に直面したときに一瞬で原因の整理ができるようになりました。

 2.ワーキングメモリが開放され、キャパシティがあがる、ストレスが減る

知っている人も多いと思いますが、人間は作業に使う一時的な記憶をワーキングメモリという領域に貯めています。しかし、ワーキングメモリの容量は無限ではないので多くの作業を行う場合、ワーキングメモリが溢れ出します。溢れ出すと思考のスピード・質が落ちたり、記憶の欠落が発生します。 また、ワーキングメモリ上に気になることややらなければならないことが溜まりすぎると強いストレスに感じます。 現代のビジネスマンは膨大な量の複雑な仕事を行っているため、効果的にワーキングメモリをクリアしないとパフォーマンスを発揮できません。 この紙に書き出すという行為を行うと記憶がワーキングメモリから紙に吐き出されます。経験的に気になることや忘れてはいけないことは無意識にワーキングメモリを使用しているように思えます。

3.言語化されることで思考が整理・深化する

思考は明確に言語化される過程で整理・深化します。自分の思考を表す適切な単語・文章を組み立てる中で洗練されていきます。頭の中であれこれ考えるだけでは時間ばかり浪費し、なかなか思考が深まりません。 思考する→言語化するのサイクルを回すことで整理・深化されていきます。 1分間で思考を言語化することができるようになれば、超高速で上記のサイクルを回せるので生産性が飛躍的に向上します。


 今更感のあるほど有名な本ですが、未読の方は読んでおいて損はないです。出版されてすぐに読まなかったことだけ後悔しています。